2016/05/20

植物図鑑1

























2015年8月の終わり、庭作りの為に雫石へやってきた。
雫石は曇りが続き、やや肌寒いくらいだった。
朝6時に起きて、鶯宿温泉街を散歩するが、誰一人としてすれ違わない。
空気はひんやりと湿気を含んでいる。
いつかの夢で見たようなものばかり目に入る。
朽ち果てた倉庫や、傾いたスナックの看板。
雑草の生い茂る荒れ果てた空き地。ころがるブロック塀。熊出没注意。
寂しい。
スピーカーからひび割れた音で朝6時半の合図を告げるチャイムが鳴る。
作業への集合までは、まだ1時間程あったので、宿に戻り
真っ白なシーツに顔をうずめる。
洗濯のりの匂いと花の色だけは、故郷から遠く離れていたって
重力をたっぷりとかけれるような安心感をいつも与えてくれると
思いながら、また少し浅い眠りに入った。




2016/02/11

人はどの色より緑の中で最も目が利く



サトルさんが、自分で作った平屋の模型を手にして、
「土壁の家を作るぞ、その辺りの子どもたちを集めて、皆で壁をパンチするんだ
土壁は空気を抜くことが大事だけな」
と熱のこもった調子で話していたのはかれこれ10数年も前の話だと思う。
私は当時、今よりももっと夢見る少女で、その話を聞くたびにワクワクしたものだ。

10数年して、サトルさんは初めて”夢の土地”を案内してくれた。
雨上がり、山土がぬかるむ日に、私はお気に入りの緑色の靴でこの場所を訪れたことを
やや後悔している。靴を洗うのはあまり好きな作業ではない。

杉の木がぎっしりそびえ立つ、日向の少ない小道。
螺旋状に続く小道を辿って行くと、
空が高く開けた土地があった。
平屋を建てるであろう場所の周りを取り囲むように
柿の木やレモンの木、名前のわからない柑橘の木が植えられている。
サトルさんの現実的な説明を聞きながら、
もし自分がここで暮らすとしたらと想像すると、真っ先に熊のことが不安になった。

「ここは熊は出るか?」
「ここは出らせん」

けれど山は繋がっている。
街灯もなにもない山の中で、暗闇に人間が住む恐怖が私を襲う。
もし熊が出てきたら、私はその時、勝てるだろうか
何を武器に戦う?
フライパンで顔に一撃するのか

そんなことを考えていたら、山の奥に大好きな藤の花が見えた。
柔らかい藤色は、恐怖を一瞬にして持ち去って行った。



















2015/11/08

写真展のお知らせ

この度、5年ぶりの写真展を開催いたします。
この5年間に私が居た場所で撮りためたものを展示いたします。
どなたもお気軽にお越しください。

河原 朝子 写真展  (Tomoko Kawahara Photo Exhibition)


「 5 」


日時: 2015 / 11 / 21 (土)〜11/27 (金)
時間:10:00 ~ 17:00
入場料:無料  
会場:Tiroir 1F ギャラリースペース(鳥取県 倉吉市 魚町 2521)
在廊日:11/21・22・23



初日の11/21には、オープニングパーティー&ライブをします。


以下詳細


日時 : 11/21(土) 18:30 ~20:30


entrance : 1000円 (軽食付)


act : 中村 好伸 (acoustic guitar)
       http://nakamurayoshinobu.com
  PETA

DJ: Michael Baudry


出店:酒のたなか


写真に囲まれながら、音楽とお酒を楽しみましょう。


2015/07/27

day dreamer




昨日はむちゃくちゃに暑かった。
友達と二人で、夕方の暖かい空気の中を歩き
スターバックスでお茶をする。
二人ともマンゴーティーフラペチーノを注文する。

ボサノバのBGMに、フォーカスしなければ、会話の中身まではわからない
程よい喧噪。デザインされた空間。

不意に友人が私に「スターバックスは夢を売っている」
と言った。
それは素敵なlifestyleという夢。
しゃれた空間で、ゆっくりコーヒーをいただく
ラテや、フラペチーノに化けた夢。


そして私はというと
マンゴーティーフラペチーノを片手に
この生暖かい空気に、あの時の南国を重ねて焦がれた。
この瞬間だって、素敵なはずなのに、
いつも私は夢を見る。
そして、この素敵な瞬間をいつも後になって夢見るものだ。